見聞録

 

#085二造変電所の実測調査

#053遺構付きの売地で旧東京第二陸軍造兵廠荒尾製造所のことを書いたが、1210日、地元の有志により、二造の変電所の実測調査が行われた。その少し前に、主催された近代化遺産・荒尾二造変電所跡等を生かす市民の会の事務局の方にお話を聞くことができた。

会では、変電所をはじめとする旧二造の施設の保存はもちろんのこと、二造の整備や火薬の製造に携わった方、周辺に住んでいた方の記憶をまとめ保存したいとのことであった。軍事機密であった二造の資料は残っているものも少なく、人の記憶はソフト的な財産となるであろう。この取り組みには興味を抱かずにはいられない。まだまだ二造のことは十分に市民に知られているとは言いがたく、保存に行き着くには、もうしばらくかかるであろう。会では様々な機会を捉えて、市民にPRしていくとのことであった。

さて、一般的にはコンクリート構造物は70年も経つと強度の保証はできなくなる。しかし、二造の施設は、軍事施設にふさわしく、壁を分厚くするなど相当頑丈に造られているそうだ。調査には熊本県建築士会の方々も参加されているので、的確なアドバイスがされることだろう。それで、この施設を如何に活用するかということが課題になるのだが、そのためのワークショップが予定されている。地中の構造物で、制約も多いと思うが、ワークショップでの奇抜なアイディアに期待する。

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#084 九州国立博物館2011

九博の建設前の浄財集めにはわずかではあるが協力させてもらった。開館間もない頃に行った時は、大渋滞で入館するまでにひと苦労だった。しかし、その苦労を味わっても有り余るほど楽しめる博物館と思った。九博の誘致には相当なエネルギーを要したと思うが、それに見合うだけの効果があったのではないかと思う。

1127日、九博に行ってきた。最終日となる企画展は、1000年前、北アジア内蒙古に栄えた契丹に関する展示で、『草原の王朝 契丹 美しき3人のプリンセス』。九博が開館前から取り組んできた渾身の特大特別展とのことであった。

果たして…素晴らしかった。金銀の光り物、石造、木棺など一級文物の数々。「美しきプリンセス」は主観の問題であり、真偽を論じる必要はないだろうが、夭折のプリンセスをストーリーの中心に据え、契丹の歴史、卓越した工芸技術や当時の美の価値観をうかがい知ることができる展示であった。

九博の展示には毎回、興奮を覚える。所蔵品の展示でも十分に楽しい。次回の企画展は1月1日から「細川家の至宝」。1月22日には第18代当主の細川護熙の講演会があるそうだ。清和源氏の流れをくむ名家の700年の歴史の一端を見ることができるだろう。今後の九博の取り組みにも大いに期待する。【111204

 

 

 


#083 福岡ブルータワー

健老町の大牟田エコタウンに、いかしたプラントが建てられている。潟Cデックスエコエナジーによる福岡ブルータワーである。

イデックスエコエナジー社は、ここで木質チップから純度99.99%以上の工業用水素を精製するとのこと。一般的な天然ガス由来の水素と比べて約75%のCO2削減が可能になるそうだ。また、理科の実験やヒンデンブルグ号の事故で見たとおり、水素は相当燃えやすく、燃えた後は水になるので新しいエコエネルギーとして期待されている。

工場のプラントには我が国が世界に誇る造船技術が使われが、ここも例に漏れず、日立造船の設計施工である。青い鉄骨に黄色の手すり、銀色のプラントで35mのタワーを形成している。デザイン面でも見事である。しかし、屋外にさらされているので、数年もすれば錆が浮いてくるだろう。新しい今が見どき。見物人でいっぱいになるということはないだろうが、大牟田に出現した工業デザインの佳作をご覧あれ。

画像をクリックすると大きいサイズで福岡タワーが見れます110929

 

 

 


#082 2011年夏・久住の涼

今年も夏も暑い。暑い上に、職場では節電が推進され、快適とは言えない環境の中で働いている方も多いだろう。

予想気温は35℃以上というニュースを聞き、ひと時の涼を求め、久住に出向いた。目指すは、幼少の頃、親に連れられてキャンプに行った久住山南麓の赤川である。当時は赤川の谷に沿って、キャンプ場があり、そこから久住山に登った。赤川からの登山道は長者原側からのルートに比べ勾配がきつく、最後はヘトヘトになっていた。

今回、登山はせずに温泉に入ってきた。以前はキャンプ場の奥に自然に湧き出る温泉があったと記憶しているが、今はもうなくなっている。そのかわり、自然と調和した立派な温泉が整備されている。赤川温泉赤川荘の露天風呂は、日本の露天風呂100選に入っているとのこと。行ってみると実にすばらしい。森林に囲まれ、目の前に滝、温泉は硫黄成分が多く白濁している。幼少の頃は全く意識していなかったが、キャンプ場の奥にあった天然の温泉に似た雰囲気があった。木々の間からのこもれび、水の音、硫黄の匂い、冷泉の肌ざわりと飲用・・・五感で楽しめる露天風呂であった。

まだまだ暑い日が続くが、このひと時の涼を思い出しながら、秋を待ちたいと思う。

久住の涼のお裾分けです。写真をクリックして下さい。(you tubeにリンクしています)110812

 

 

 


#081 対決!星の徽章と櫪葉の徽章

今年も高校野球選手権の福岡県予選が始まった。710日の1回戦、母校、三池高校は久留米市野球場で修猷館高校との対戦となった。

あまりクローズアップされることはないが、両校は校歌(修猷館では館歌と呼ばれている)でつながっている。三池高校の校歌は、旧制中学時代、明治後期から昭和初期にかけて音楽教育で活躍され、当時、福岡女子専門学校(現在の福岡女子大)の教授であった横田三郎先生が作曲された。横田先生は、中学修猷館の教師をされているときに館歌を作曲されており、この試合は、どちらが勝っても先生の曲が流れるというものであった。

両校の校歌に歌われている修猷館の「星の徽章」、三池の「櫪葉の徽章」の旗が球場に翻り、熱戦が繰り広げられた。結果は7対0、実力に優る修猷館が7回コールドで三池を下し、球場には館歌が流れた。

全力で戦ってくれた修猷館に敬意。蒼窮萬里を歌えなかったが、三池の諸君もよく頑張った。

この試合の後、修猷館卒の先輩とビールを飲みに行った。飲み代は敗戦校のOB持ちであったが、実に爽快であった。あまりにも楽しかったので、伝説の(?)望嶽庵バンドで両校の校歌を演奏した。出来はよくないが、両校の発展を祈りつつ、ここにアップする。

余談ではあるが、田川高校の校歌も横田先生の作曲である。三池と田川は甲子園に出場しているが、いずれも1回戦で敗退しており、今のところ横田先生作曲の校歌は甲子園で流れていない。(三池が出場した時代は、勝利校の校歌は流されていなかった。)いつの日か先生の曲が甲子園に流れることを期待する。また、こんなインチキバンドによる演奏でなく、田川を含めた生徒達の吹奏楽のジョイントで横田先生の校歌メドレーを聞いてみたいものだ。

《演奏ノート》

演奏する望嶽庵バンドにとっては、吹奏楽やオーケストラの音の表現は、極めて難易度が高いので、ジャズを基本にシンセサイザーを加える演奏とした。ヘッドホンで聞くと楽器の入り方がわかると思う。

全体的には応援合戦をイメージし、修猷の館歌と三池の校歌を交互に演奏した。学校においては、両校とも楽器の伴奏に合わせて歌うことは希であり、通常、生徒のア・カペラである。今回の曲の始まりは先輩格である修猷館に譲り、初めから8小節は、生徒の声だけで歌う様子を表現した。1コーラス目は、さわやかな高校生を表現しつつ、声楽から演奏色を増しながら三池の校歌につないだ。

2コーラス目は、アルコールが入った状態で演奏したので、1コーラス目のさわやかさは無くなった。当初はベースとドラムがあまりにもうるさく、ディスコサウンドかヘビメタか、という校歌にはふさわしくない音楽になったため、バランスを調整した。三池の校歌のはじめから8小節は、男子生徒の雄々しさを表現するために低音を重視した演奏としたが、仕上がりにはあまり納得していない。2コーラス目はドラマーのノリが良すぎたと思う。望嶽庵バンドもまだまだ修行中である。

写真をクリックすると、両校の校歌をBGMに、試合の様子が見れます(you tubeにリンクしています)

you tubeが見れない環境の方はここをクリックしてください。(音が出ます)110716

 

 

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