有明望嶽庵 交番コレクション

おわりに〜派出所のお巡りさん〜

 

小学校の中ごろまでは、派出所はそれほど近い存在ではなかった。家は銀水派出所、通町派出所、三池派出所の中間地点であり、いずれも距離があった。

しかし、通町の区画整理で出来た新しい派出所(と郵便局と共栄アパート)を見たときは「キレイな建物だ」と思った。今となれば、四角いだけの建物だが、当時はまぶしく見えた。

 

草木に引っ越してからは、銀水派出所をよくのぞいていた。木造の伝統的な派出所だった。

「ただ今出動中につき本署に連絡してください」とダイヤルのない直通電話が机の上に置かれていた。通るたびにそうだった。

ここのお巡りさんは外回りばかりやっているのだなと思っていた。

同じ銀水小校区(当時)に久福木駐在所があった。久福木駐在所はこれぞ駐在所というような渋い木造だった。今回掲載した画像(宮部駐在所)はモダン過ぎる。そのときの画像はないが銀水派出所がモダンに見えるような民家に近い外観であった。一、二度、何かで訪問したことがあるが、そのときは夫人が応対してくれた。駐在所は家業という感じだった。

中学になって行動範囲が広がり、三池派出所ものぞくようになった。直通電話が置いてある。銀水派出所とたいして変わらない。

ここも、外回りで忙しいのだなと思った。

数年に一度くらい家にお巡りさんが来ていた。「こんにちは、銀水派出所の〇〇です。お宅は今、何人お住まいですか?」…個人情報の収集だった。

当時の派出所は国勢調査並みの住民情報を持っていたと思われる。

銀水派出所管内を考えてみても相当な世帯数である。なるほど留守が多いはずである。プライバシー保護の厳格化が進められてる今日ではこのようなことができるかわからないが、あの頃はお巡りさんの足で地域の治安が守られていたのである。

 

その頃は、本当によく黒バイで巡回するお巡りさんを見ていた。犯罪の抑止効果は相当あったと思う。

大牟田で見ていた黒バイはホンダのベンリーCD90とスズキのK90。当時の狭い道では機動力を発揮した。特に白煙を吐いて颯爽と通り過ぎていく2ストロークエンジンのK90を見ていると、月光仮面のように疾風のように現れて、疾風のように去っていく・・・ウイリーもブレーキターンもジャックナイフもオフロード走行もなんのその(あくまでイメージ。やっているお巡りさんはいなかっただろう。)黒バイは市街地戦では無敵だった。

大牟田の交番ではバイクしか見なかったが、東京の交番のお巡りさんは自転車で移動していた。これもまた理にかなった移動手段である。



黒バイ伝説CD90

無敵の2ストK90

 




市街地最強のCD125

マルチで活躍するバーディ90

タイ仕様のカブ110




小回り低燃費のスイフト

ホイルカバーのないクラウン

四駆パワーのレガシィ(福岡市内)

 

交番、駐在所の統合は、通信技術、交通手段の発展によるところが大きい。世間は公衆電話から携帯電話の時代になり、スピーディな連絡が可能となった。

交番にはミニパト、ミドルクラスのパトカーが配置され、オートバイも110cc125ccとなった。機動力は黒バイの時代より一段と向上している。

道案内から凶悪犯罪まで、地域の治安を守る。高齢化の進展で地域に根ざす交番の仕事の質も変わっているだろう。

今日も交番からお巡りさんが出動していく。最前線のお巡りさんに感謝。(2017.12.23

 

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