学校の宝物

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戦後の応急的なバラック校舎から木造2階建ての校舎に建替えられた際、各校に池、花壇といった学習環境に配慮した施設が整備された。

明治小学校のように玄関前には石造りの植え込みが設けられ、ゴージャスな庭園という雰囲気を持つ学校も出てきた。

しかし、鉄筋コンクリートの校舎への建替えは、できるだけ既存の木造校舎を使いながら運動場に建設するなどの方法が採られたため、木造時代の校舎や中庭の配置が大きく変わった学校もある。このような経過をたどり、中庭の池や花壇は撤去されてきた。そのような中、池が残っている学校もある。

銀水小学校、大正小学校には、元・中庭の円形の池が今もある。特に大正小学校の池には、大魔神が優しい顔のときのような少年像が建っている。残念なことに、両校とも雑草が生えていて管理は良好とは言えない。


銀水小の池


大正小の池と少年像

また、平原小学校には四角い池がある。平原小学校は鉄筋化が以外と早く、昭和40年代前半には現在の2つの校舎は出来ていた。その際、木造校舎時代にはなかった池を中心とする立派なオアシスが整備された。しかし、ここの池も雑草が生えており、大切にされていないようだ。少子化で児童も教職員も減り、手が足りないのだろうか。

玉川小学校には、四角い池がある。中に仕切りがあるので、複数の種類の生き物(植物)を観察するための池であろう。ここの池はわりと手入れがされている。しかも小便小僧付きというナイスな造りである。

みんなできれいにすれば、いずれも宝物として十分な価値が出ると思う。


平原小の池と植え込み


玉川小の小便小僧付き池

百葉箱

 

百葉箱も粗末に扱われている。しかも、百葉箱がない学校もあるので、もう学校に設置しなくてもよくなったのだろうか。

小生が子どもの頃、百葉箱は地上1.21.5m、風通しの良い土や芝生の上に設置されて、これで計測された温度や湿度が公式記録となることを習った。直射日光、炎天下の全校集会、運動会などが当たり前の時代、「今日は35度」と発表されると「百葉箱の中は35度か。百葉箱に入りたい」などと子ども心に思っていた。

さて、百葉箱は、先述『池』に掲載した写真の銀水小学校、平原小学校の他に大正小学校、玉川小学校に残っている。全く根拠はないが、池とセットになっているようだ。これらの中でも、大正小学校の百葉箱の切妻屋根は他校の片流れと違って見事である。


大正小の百葉箱


玉川小の百葉箱

現在、気象庁では電気式温度計などという軟弱な方法で測定されていそうだが、子ども達には『本日の天気晴れ、気温27度、湿度68%、南南西の風、風力3』などと気合を入れて観測をしてもらいたいものである。(そういえば、白川小学校の木造校舎の屋根の上にはくるくる回る風力計が付いていたが、最近はああいうのも見ない。アナログを知らずしてデジタルに浸ってしまうことにある種の危機感を覚える。)

おわりに

 

今回掲載したものは、各校に行けばすぐに目に入るものを共通のテーマでくくってみた。おそらく、この他にも、各学校には見落としてしまいそうな、オンリーワンの宝物があるのではないだろうか。学校の行事、風習などのソフトの宝物もあるだろう。

学校は思い出多きところであると同時に、多くの人が利用する施設である。明治小学校の滑り台のように、新鮮な目で学校を見つめなおし、学校の宝物を探してみることも楽しいと思う。(2006.6.17


児童が絵を描いた白川小の的当て


諏訪小の動物像

 

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