西部警察に見る大牟田・荒尾の昭和55年 A

65話博多港決戦!!(昭和56111日)放送

 


前回のおさらい。団長が三井グリーンランド上空に到達。いよいよ犯人グループとの対決。

団長は小暮課長に無線で報告。「三池港の積み出しは阻止しました。無線の発信地をキャッチ。場所は三井グリーンランドです。」

 

※小岱山麓をバックにしている。右側に昭和37年より11年かけて造られた慈照院の荒尾大使像が見える。


小暮課長(石原裕次郎)は福岡から指令。「連中は強烈な武器を持っているらしい。十分気をつけてくれ。俺もそっちに行く。」

 

※小暮課長が軍団が知らない情報を得ていることから、軍団以外にも、他にもこの事件の情報収集に奔走している警察官がいることがわかる。


マシンXがグリーンランドに到着。そのままゲートを潜り抜け、園内に突入。

 

※当時、グリーンランドのゲートは成田山側(現在の北ゲート)がメインであった。現在の南側のメインゲートは三池鉄道の撤去後に設置された。このときの催事は「ジェットコースター祭り」であったことがわかる。


マシンXの探知機で発信場所は丘の上のタワーと判明。軍団はタワーへ向かう。

 

※グリーンランドのシンボルタワーは昭和40年代の半ばくらいに建てられたと思うが、あの斬新なデザインは衝撃的であった。現在は老朽化が進行しているが、これを逆手に取ってホラータワー「廃校」となっている。そのような使われ方をしていることを知ったときもショックだった。


タワーで無線機を発見。テープレコーダーによる偽装工作であったことを知る。しかし、傍らの灰皿に燃え尽きていない煙草を発見。「犯人はまだ近くにいる。」

 

※無人で音声を流すために、オープンリールのテープレコーダーが使われていた。カセットテープが隆盛の時代(エンドレスのカセットテープもあった)オープンリールはプロが使うテープと思っていた。受信機他の機材はTRADYDX-300REALISTIC製が使われている。


団長より、犯人を徹底的に捜すよう指示を受け、軍団の5人はロープウエイに乗り込む。犯人グループはこれを確認し、地上からゴンドラを狙い撃ちにする。

 

※グリーンランドのロープウエイは、当然のことながら、有料であった。中央の池を横断しており、陸路で対岸に行くには池を迂回しなければならなかった。


ここからは西部警察の祭り。

満を持して団長のライフルが火を吐く。ゴンドラに向かって発砲する犯人グループをヘリから狙撃。

 

※団長はショットガンもライフルもアメリカのレミントン・アームズ社の製品を愛用しているとか。


団長が放った弾丸が犯人に命中。

団長はヘリから3名を射殺する。

 

※団長の銃の腕は素晴らしい。初弾でこの犯人を眠らせる。ヘリから6発発射で3名は見事。


ゴンドラの軍団も窓を叩き割り応戦。

 

※飛び散った硝子の破片を拾ったのだろうか、と余計な心配をした。


ゴンドラの軍団は犯人グループ3名を射殺。

 

※ゴンドラの5名は全員拳銃。犯人グループは確認できただけでも拳銃3丁にライフル5丁。武装の差など全く感じさせない大門軍団であった。


「徹底的に残りの連中を探せ!」団長は地上に降り立つ。

 

※一般客の避難もない中、ライフルをもって走る回る団長。正体を明かしていないため、完全に不審者と化している。


ゴンドラ組も地上に。犯人グループの一人は、銃を乱射しながら客で一杯のメリーゴーランドに逃げ込む。松田刑事(寺尾聰)は客などには全く躊躇せず発砲、この犯人を射殺。

 

※団長のみならず軍団の射撃の腕前は相当高い。西部警察シリーズを通しての唯一の失敗は、兼子刑事(五代高之)の一般市民の誤射。


逃亡を図った犯人グループの一人は、炭鉱電車の客車に逃げ込む。

 

※ここで登場する電気機関車5号車は、日本車両が製造し三菱造船から三井鉱山に納車された本線規格としては国産1号という価値ある車両である。現役を引退し、現在は大牟田市が所有し、保存している。


追ってきた源田刑事(苅谷俊介)は、後ろの車両から乗り込み、松田刑事同様、客を気にする様子もなく発砲。

 

※ここからのシーンは、有明望嶽庵がA級史料と認定する映像。

三池鉄道の客車を外から撮影した画像は残っているが、車内を撮影したものはなかなか見られない。乗ったことのある人は、客車の内部は何となく知っているが、(小生の記憶でも「木造っぽくて長椅子があった」というくらい)映像として残っているのは極めて珍しい。後部のコハ100型車両の内部。


源田刑事は犯人を前の車両に追い込む。機関車の運転手が犯人の後ろにいることも気にせずに発砲。犯人を射殺。

 

※この映像に出てくる客車の外装は、西部警察のために、新たに塗装をしたのかと思うくらい綺麗である。小生の記憶には、さび止めのような色で、ボロボロの姿しか残っていない。前部のホハ200型車両の内部。


客車で犯人を射殺して戻った源田刑事、団長に報告。「やっつけたのは雑魚ばかりでした。」

グリーンランドの銃撃戦の成果は、射殺8名、捕獲1名。

 

※この源田刑事の発言にはシビれた。8人射殺しても首謀者を取り逃がしては何にもならない、軍団のミッション達成主義を垣間見た。


「休憩所に客が閉じ込められている」軍団は休憩所に向かい、難なく扉を開放。客は外に逃げ出す。

 

※「人質を取って要求」ということもなく、客が閉じ込められているという展開は唐突な感じがした。

「無料休憩所」という呼び方には時代を感じるが、当時は全く自然であった。


ここで小暮課長(石原裕次郎)福岡より到着。

 

※さすがの西部警察もヘリを2機用意できなかった模様。団長が乗っていたヘリと同じヘリで小暮課長はやってきた。

団長が乗っていたときのヘリの機体番号は「JA9037」、小暮課長が乗っていたときは後ろ2桁を隠し「JA90」と涙ぐましい工夫がされていた。


軍団は無料休憩所の中でダイナマイトを発見。軍団は急いで館から脱出する。

 

※軍団はダイナマイトを2束発見。ダイナマイトは、何かに取り付けているとか、埋めているとかではなく転がしてあった。それでどの程度効果があるかは疑問。


犯人グループの生き残り「ヘンリー少尉」と「サンダース軍曹」はダイナマイトの起爆装置のスイッチを入れる。

 

※ここまでくると「この二人は射殺されるな」と予想できる。


火を噴く無料休憩所。間一髪脱出した軍団。

 

※冒頭で述べたとおり、炎で包まれるような爆発のしかたである。ガソリンが多用されたと思われる。


爆発を見てたたずむ小暮課長。

 

※バックのてんとう虫園内客車がレトロ。昔はこれに乗るだけでも喜んでいた。遊園地らしいカットである。


「大丈夫か」軍団に駆け寄る小暮課長。

 

※爆発の炎は出たが、建物は原形を留めている。

物語の上では、小暮課長は何をしにグリーンランドまで来たのかわからない。石原裕次郎をひと目見たいという田舎の人々の熱い気持ちに応えてこの脚本が書かれたと思われる。

このあと、博多に戻り捜査は続く。

犯人グループは大分から偽札を船で積み出そうとする。軍団は沖に向かう犯人の船をホバークラフト(2009年に廃止された。これも貴重な映像である。)で追跡し、乗船していた「サンダース軍曹」以下4名全員を射殺する。

いよいよ追い詰められた犯人グループは、博多港から偽札を積み込み脱出しようとする。犯人グループと大門軍団・警察のカーチェイス。犯人グループは車から手榴弾を投げまくる。

埠頭に追い込まれた犯人グループは銃を乱射し抵抗するが、銃撃戦となっては軍団の前では児戯、「ヘンリー少尉」以下6名は射殺、最後の悪あがきで手榴弾のピンを抜き投げようとした手下が団長に撃たれ、黒幕ともども爆死、この爆発は偽札を積んだトラックの爆発を誘発。軍団はミッションを達成した。

6465話を通じ、射殺21名、爆死2名。銃撃戦、カーチェイスは申し分ない結果であったが、建屋、トラックの爆破は木っ端微塵という訳ではなく、この点は少々悔やまれる。

 

 

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