大型二輪受験体験記

今までの人生の中でこれほど苦しんだ試験はなかった。

現在では自動車学校での取得ができるようになった。もはや試験場で取得する人は少なくなったかもしれない。

しかい、免許を取得する方法としては試験場での一発受験は残っているので、その人達の参考になれば幸いである。

 

小生が受験したのは、今から10年以上も前である。当時、福岡市の野間の自動車試験場の改修が行われていたため、飯塚の試験場で大型二輪の試験が行われていた。

福岡の場合、事前審査(引起し、引回し、センタースタンド掛け)はそれなりに出来ればOKで、よほどのことがない限り落ちる人はいない。しかし、実技試験は本当に厳しかった。毎回30人くらいが受験して、合格するのは2、3人。小生は練習など全くせず、突然の思いつきで受験。

 

初めての試験は発信直後の波状路に2速で突っ込み(1速を使うことなど知らなかった)脱輪。試験開始後、わずか5秒で退場となった。

この屈辱により小生の闘争心に火が燈った。『絶対に大型を取ってやる…』

が、中型以来(今の普通二輪)の運転の癖は容易に拭えず、4回目の試験が終わった頃に二輪安全運転推進協議会主催の大型二輪講習を受講。

ナナハンで1日中コースを乗ることができ、この講習会は大変有意義であった。

小生の場合、ここからまともな受験ができたと思う。

 

5回目、6回目はクランクでエンスト。クランク走行は講習会では2速を使っていたが、試験車両は下のトルクがなく、試験車両に限っては1速を使うことに気づく。今は、そんな車両を試験車両に使うな!と思う。

7回目、8回目は完走を果たすものの、減点超過で惜しくも不合格。

 

そして、ようやく9回目に合格。しかし、このときも途中でエンストしていた。試験官にそのことを指摘されたが、『試験車両はアイドリングの回転数が低いと思われます。特に今日のような寒い日には、もう少しコンディションを調整すべきです。』と反論した。

試験前、試験官本人が試験車両に試乗しているので、コンディションが完全でないことはわかっていたようだった。で、エンストの件についてはそれ以上の話はなく『これから大型二輪です。気をつけて乗って下さい。』…おお、合格だ!

 

【ポイント】

1.中型(普通二輪)取得後、早いうちに受験すべし。自分で思うよりも運転の癖がついている。

2.コースを回る時、スピードにメリハリ(加速と減速)をつけることが必要。このコントラストは『二輪に乗れている』という証拠。逆にメリハリがないと『ただ乗っているだけ』としか見えない。

3.ふらつき防止のためにも、きちんとニーグリップをする。試験場では低速で走ることのほうが遥かに難しい。

4.400ccの二輪がいくら速くてもそれは普通二輪の中での話。試験車両はナナハンであるが、やはり下からの吹き上がりは大型ならでは。しかし、基本は中型でも練習できる。安全確認や車線変更などは試験を意識すれば効果あり。

5.試験場により違うと思うが、次の受験がすぐにできても、不合格後1週間は開けるべき。私の頃は3週間に1回しか受験できなかったが、次の受験までに考える時間は必要と思う。

6.とにかく諦めない。諦めるくらいなら最初から自動車学校へ通うこと。小生の時は、1回の受験料は2,400円くらいだったと思う。10回受けても自動車学校より全然安い。一番の不安は出口が見えない(自動車学校だと進捗が目に見える)ことだが、自分を勇気づけて試験に立ち向かうこと。

 

【おまけ】

当時、熊本・松橋の自動車試験場で受験していた後輩は、事前審査で4、5回落ちたと記憶している。熊本県の場合は、事前審査が無茶苦茶厳しく、センタースタンド掛けで車両が揺れたり、スタンドの二本の足の片方が少しでも地面から離れるとアウト。鬼のような事前審査であったと聞く。

ただし、事前審査をパスしコースでの試験になると、意外と早く合格したようだ。

その後、試験場は移設されたが今はどうなっていろだろうか。

一発試験に立ち向かうライダーは少なくなったかもしれないが、こんなスリリングな試験はない。合格した今だから言えるのだろうが、不安定な場所に身を置いて人生を楽しむことができる。我が子には、比較的時間に余裕がある学生時代にチャレンジさせたい試験である。

 

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