技術士(建設部門:都市及び地方計画)受験体験記

 

この試験は旧制度で受験しているため、現在、チャレンジしている方の参考にはならないかもしれない。

旧制度では、1次試験に合格している必要はなく、また、2次試験はひたすら論文(新制度では選択問題が加わった)を書くのみであった。

 

ゼネコンに入社して早々、社内の有資格者数が社報に掲載されていたが、その中に『技術士』という資格を発見。何の資格か?と先輩に尋ねたところ『技術者の博士号みたいなもの』と教えてくれた。

その時は『いつか受験してみよう』とぼんやりと思っていたが、とりあえず業務に必要な資格の取得を先行した。

技術士のことを忘れていたある日、『技術士2次試験』のポスターが目に留まった。『おお、そう言えばそんな資格があったな』先輩の言葉を思い出し願書を取り寄せた。

 

この試験の特徴は出題範囲がとてつもなく広いということである。学生時代で言えば中間・期末試験ではなく、実力試験である。真正面から向かえば、常日頃の研鑚しか方法はなく、一夜漬けなどでは到底及ばない。それでも何とか絞り込みをかけないと、時間がどのくらいあっても足りない。

勉強を始めてみるとあらゆる面で情報不足を痛感した。過去の出題は問題集になっているが回答例が少ない。論文はある意味主観的である。回答例も本当にこれでよいのか?と疑問符が拭えない。

結局、論文は我流になった。

建設一般は『建設白書』の本文を熟読し2つのテーマに絞った。幸運にも本番ではピッタリ当たった。

2問を選んで解答する専門の選択問題は『既成市街地』の関連問題(整備手法や誘導既成)が毎年2問出題されていることに注目し、その2問で勝負することとした。1問しか出題されていない年もあったが、もし本番でそうだったら潔く諦めることとした。

 

小生の場合は、猛ダッシュをかけたのがラスト3週間で、この絞込みが効を奏した。(冷静に考えると、リスクも大きいが)

本番では、午前中の経験記述(800字×5枚)は見直しを含め30分を残して完成、退出。

しかし、午後の建設一般(800字×4枚)と専門選択(800字×3枚×2問)は苦しかった。残り15分で完成。読み直して若干の訂正をしたところでタイムアップ。

夏の試験でもあり、終わったときの疲労感は一級建築士の製図の以上だった。

 

筆記合格の通知を受け取ったものの、口述試験に関する情報もない。

情報を得るために九州技術協会主催の講習会を受けた。小生は全く情報を持っていなかったからしょうがないと思うが、受講料4万円は高い。

受験経験者が近くにいればこの4万円は不要。

 

口述試験は30分間(実質25分、残り5分で評価・採点)行われるが、小生の試験は15分程度で、尻尾を出す前に終了。早く終われば合格という言い伝えどおり合格通知が届いた。聞かれた内容は、『受験の動機』、『日常の業務内容』、『PFIについて』、『技術士の義務』であった。

 

この試験では、小生はかなり運が良かったと思う。その中で最も苦しんだことは、始めに述べたとおり『情報不足』だった。文部科学省は技術士を増やすことを目標としているが、まだまだメジャーな資格ではなく、『論文』『口述』という抽象的な試験では情報不足となるのは当然かもしれない。

 

【ポイント】

1.受験経験者の話は一回は聞いておきたいところ。情報が不足すると効率的な学習ができない。最近は技術士受験のためのホームページも開設されている。初心者にとっては大変心強い情報源である。

2.現在は択一が導入されている。足切りに使われていると思われるので、まずは択一問題を勉強すべき。過去の出題を分析し出題されているジャンルの知識を習得する。あと数年すれば過去モノのストックが増え勉強しやすくなると思う。

3.経験論文は『技術』のみに終始してはいけない。その技術が社会にどう役立ったかをアピールする。小生の場合は《地域社会の都市環境の現状と課題》→《対象地区の地域社会における位置付け》→《対象地区の計画と技術的考察》→《計画の評価》という構成とした。社会性のない技術者では『技術士』になれない。

4.経験論文はビッグプロジェクトでなくてもよい。1haの仕事でもいい。技術を通して社会に貢献できたかどうかが合否の分かれ目である。

5.建設一般は国家の政策や業界の新しい動きにアンテナを立てておくこと。『建設白書』(国土交通省)や『月刊建設』(全日本建設技術協会)の記事が解答に役立つ模様。

6.どの論文も構成は似ている。《現状と課題》《課題解決の方法》《まとめ》という構成でよい。技術論文であるから『起承転結』ではなく『序論・本論・結論』が基本。

7.口述試験も、過去2〜3年の試験で何を聞かれているか情報を収集すること。初対面の試験官との対話でも社会性が試される。たまに感情的な口論となる人がいると聞くが、口述試験は決して論戦ではない。試験官の問いかけに『はい。…』という一言から入れば落ち着くことができる。

8.口述試験は言語によるプレゼンテーションの試験と考えてよい。近年、実社会ではプレゼンテーション能力が強く要求されている。普段から意識的して社外の人との会話をすることも一つの勉強の方法かもしれない。

 

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