土木施工管理技術検定体験記

土木施工管理技術検定については、本業が建築であるから、建築につながる土木施工の経験により受験した。大規模工事になると、請負等の便宜上、建築・土木の区分けは行うが、施工技術に関しては重なる部分が出てくる。

東京で勤務していた頃は、軟弱な関東ロームと地下水位に悩まされていて、建築施工は構造物が地中から顔をだすまでが工程上の勝負と思っていた。建築であっても地下工事ではボイリングやヒービング対策は不可避であり、土と水に関する勉強をしていた。その延長で土木施工管理技術検定を受験することとした。

小生が卒業した構造工学科は指定学科の認定を受けていたので、3年以上の実務経験があれば、2級を受験せずに1級から受験することはできる。しかし、業務に必要な資格というわけでもなく、実務能力の到達度を確認することが目的であったので、まずは2級から、そしてその後1級を受験した。

2級の場合、午前中に学科試験、午後に実地試験が行われ、1日で検定が終了する。数年前まで2級は講習で取得できたらしいが、現在では試験を受けるしかない。

1級は、学科試験が夏、これをパスした人に対し、実地試験が秋に実施される。

試験科目の構成はほぼ同じ。学科は択一式で土木工学等(一般土木、専門土木)、施工管理法、法規。実地は記述式で施工管理法である。

択一式は科目によっては『次の○問のうちから×問を選んで解答せよ』となっており、全て解答する必要はない。しかし、勉強する時は全てを解いてみること。得意な分野と不得意な分野が確認できる。

小生は試験本番でも、時間に余裕があったので、全部解いてみて解答に自信があるものを選択した。

つまり、先に選択して解答するのではなく、一応ひととおり解答し、それから選択するのである。これは1級でも同じである。

そもそも土木は範囲が広いので、例えば建設機械をとっても本の中でしか見たことのないようなものもある。小生は今もってドリルジャンボなど見たこともないし、バケット浚渫船とかディッパ浚渫船とか言われも何がどう違うのかさっぱりわからない。それでも『選択』が許されているので何とかなる。

択一式については、数をこなせば得意な分野、不得意な分野が見えてくる。また、似たような問題も多く、出題傾向がつかめる。よって、施工管理を業務としている人にとっては、解説ばかりの参考書より設問中心の問題集のほうが試験対策としては優れていると思う。

記述式については、経験を書かせる問題と施工管理の手法を問う設問がある。経験記述の配点が大きいと聞くが、『品質』『工程』『安全』のどれかが出題されるので、これは事前に用意できる。事の大小は関係ない。日常、現場でやっていることをそのまま書けばよい。

例えば、『工程の中で重機作業の占める割合が多く、重機災害の防止を安全管理の重点事項とした。作業前の点検、打ち合わせ、作業半径の明示とバリケードによる立入禁止を徹底した…。』という程度のものでも十分である。

2級と1級の違いは問題のボリュームにある。小生が思うには、個々の設問の難易度はそう変わらない。実務経験を積み重ね2級を受けずに1級から入る人も多いこともうなづける。

1級の受験資格について2級取得のアドバンテージのない人(大卒、短大・高専卒、高卒で10年以上の経験のある人、15年以上の経験のある人)は、消化不良さえ起こさなければ1級から受験してもよいと思う。

 

【ポイント】

1.学科試験(択一式)対策はとにかく数をこなすこと。得意な問題や出題の傾向が把握できる。

2.1級では、学科試験専用の問題集、実地試験専用の問題集を用意したほうがよい。問題集が別になると、学科試験では5年分、実地試験では10年分くらいの問題の量になり、より多くの問題にチャレンジできる。

3.学科試験では、全ての設問を解答する必要のない科目でも、指定された以上の設問を解き、同時に自信がある解答にマークしておき、正解の自信があるものから『選択』する。

4.実地試験の経験記述はあらかじめ用意しておくこと。近年は文字数が指定されているが、要求された文字数では詳しいことは書けない。簡潔にまとめつつ、アピールしたいところを箇条書き等で強調することも一つのテクニックである。

5.2級を取得したら、できるだけ早い時期に1級に挑戦すべき。ボリュームはあるが、問題の質はそう変わりない。

 

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