見聞録

 

110 針尾無線塔見学会

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自動的に生成された説明見聞録#004で針尾無線塔のことを書いたのも20年前。その間、2013年に国指定の重要文化財となったそうだ。

この度、保存調査のために基礎部分を掘削したということで、99日、見学会が開催された。

新聞には「なぜ倒れない」などと書かれていたが、構造力学を学んだ人であれば、転倒モーメントに耐えるだけの固定端(基礎)になっていることは理解できるはずだ。

それを当時の技術でどのように造ったか実物をみて確認する、ということが今回の調査である。

設計図は残っていたようだが、掘ってみた結果、無線塔基部外径が12mで、深さ6m、基礎外径が24mの拡底基礎。(設計どおり)

既に、コンクリート強度、中性化の進行などは調査されているが、いずれも、100年前の施工とは思えないほどの良好な結果であった。

さすが軍の施設である。民間施設ならば過剰品質と言われるような造り方だろう。国防に関わる施設なので、今でも防衛施設庁発注の仕様は一般的な施設に比べると遥かに厳しい。

さて、調査後、保存工事の計画が立てられ、巨額の費用が示されることが予想される。文化財、世界遺産などは将来の保存(将来にわたる税金の投入)を議論されずに指定されているものも多い。

建設技術者としては、人々から長く愛してもらえるのは嬉しいことではあるが、形あるものいつかは壊れる運命、土に還してやることもまた愛ではないかと思う。少なくとも学者や文化財担当者など、一部の人の価値観だけで保存を決めるのではなく、広く議論されることを願う。

写真をクリックすると見学会の様子が見れます230910

 

 

109 OTAKUSAまつり +night

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自動的に生成された説明有明海の対岸から飛んでくるFM長崎を聞いていたら、長崎市の出島表橋前公園でOTAKUSAまつりというイベントが開催されるという情報に興味を持った。

「おたくさ」は紫陽花(あじさい)のことで、シーボルトが日本人の愛人「お滝さん」が紫陽花のような人だったので、この花を「おたくさ」(滝さんを正しく発音できなかった)と呼んだそうだ。…NHKの朝ドラであったが、ニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝さんを妻のリタさんがうまく発音できずに「マッサン」と呼んだ逸話と同じである。

今回は、花を観賞してお茶や洋菓子を楽しむというイベントに、で夜の部を加え、ジャズを聴きながらイタリア料理が食べられるというもの。

で、520日の夜の部に行ってきた。いや〜、よかった。整然とした出島、色とりどりのおたくさをバックに、菅原花月さんの歌声、石川雄一さんのギターテクニック、松下一弘さんの色っぽいベース、イタリアンにクラフトビール…。

決して大きなイベントではないのだが、ロケーション、夜の雰囲気…、長崎の品の良さが感じられた。しかも、自分が好きなまちなか。

昭和の頃の出島は廃墟というイメージであったが、復元された施設がこのように活用されると整備した方も嬉しいだろう。

青春の地、長崎で久々に心が潤う楽しい夜を過ごすことができた。

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108 火の用心2022

2021年の大牟田市内の火災は29件と過去最少であった。

しかし、2022年になって217日までに13件、死亡者が出る火災も発生している。このままだと年間100件もの火災発生件数が見込まれる。大牟田市は同日、春期全国火災予防運動を前倒しし、218日より大牟田市特別火災予防運動を開始することを発表した。

ところが、開始したその日18日に三池で建物火災、21日に姫島町で車両火災、22日に平原町で建物火災と火事が続いた。大変残念である。

およその消防の組織は火消し部隊の消防署と消防行政の消防本部から成っている。なかでも火災の発生を予防と発生した場合の避難と円滑な消防活動を担う消防本部の予防チームは、消防法を徹底的に学習し、独自の予防条例、効果的な火災予防を考え、実行するエリート集団である。

しかし、世間では特殊車両に乗り、現場で活躍する火災、レスキュー、救急などの隊員さんたちに視線が集まりがちである。古くは「タワーリングインフェルノ」最近では「ザ・タワー」、「オンリー・ザ・ブレイブ」などの消防隊員を主人公とする映画の影響もあるかもしれない。

火災を発生させないことが一番である。発生しなければ不幸になる人はいない。

予防チームの権化として「火の用心のマサ」と題した映画でも作れないだろうか。…マサは拍子木を打ち鳴らし、火の用心を叫びながら夜の街を歩く。今年も火災はゼロ件であった。めでたし、めでたし…という何も起こらないという映画はできないだろうか。

パニック映画に慣れた人にとっては面白くもなんともないだろうが、昨年の過去最少は、紛れもなく消防の予防チーム、グレート・マサの仕事である。

映画はともあれ、これ以上、火災が発生しないことを願う。【220228

 

 

107 昭和の社〜東京第二陸軍造兵廠荒尾製造所資料館

市民手作りの二造資料館が荒尾市荒尾に4月30日オープンした。

民家を改修した資料館に、二造関係者の方が寄贈した資料、市民の有志が収集した資料が展示されている。陸軍の機密、米軍による接収という資料収集には悪条件ではあったが本当によく頑張られたと思う。

荒尾二造市民の会の主催で、二造で働いておられた方、その子息の方、行政、議会関係者が招かれ開催されたオープニングセレモニーを見学に行った。

職員、学徒動員などで二造を直接経験された方は90代という高齢になられているが、貴重な経験をしっかりとお話しされ、当時の旧制中学、高等女学校の教養の高さを垣間見た気分だった。

当ホームページのBBSに書き込みをされるtomさんの、二造で製造されていた火薬に関するプレゼンテーションも大変興味深かった。

市民の会では、今後、経験者のお話を映像で残していくとのことであった。

一般向け会館が5月3日からということだったので、昨日行ってみた。開館数日は多かったそうだが、昨日は小生を含め入館者は2人だった。

展示物はそれほど多くはないが、世話役さんの話も勉強になる。

二造は、市北部の炭鉱まちとともに、市の中央部のまちの基礎を造ったということは紛れもない事実である。荒尾の市民、荒尾に縁のある方は一度は行ってみるべきだろう。

開館日は木〜日曜日、開館時間は1330分から17時まで。入館料は300円。【180513

 

 

106 大牟田市制施行100周年

大牟田市は3月1日、市制100周年を迎える。1917年(大正7年)大牟田町が大牟田市となった。その時点では大牟田、下里、稲荷、横須の旧4村の区域、北は城町、大黒町、鳥塚町、東は平原町、大浦町、七浦町、南は小浜町、不知火町という現在の市の中央部付近であった。

三池炭鉱は、我が国の発展を牽引し、まさに日の出の勢いのなかでの市制施行であった。

市制施行の日の市民のインタビュー。「大牟田は景気のよかばい。欧州の戦争のおかげやろか。炭鉱鉄道には電車が走りよる。西米生まで見に行ったばってん電気で機関車の動くとたいね。三川のほうも築港でえらい賑わいよる。わしゃ来年古希ばってん、まちのどんどんでこなってたまがることばっかしたい。ここんにきは百年は安泰やろね。」(仮想市史より)

栄枯盛衰の百年。その半分くらいは経験している。人それぞれ、いろいろな泣き笑いがあっただろう。次の百年も楽しみである。【170205

 

 

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