見聞録
5月3日から6月2日まで、東京シアターコクーンと大阪シアターBRAVA!で、殺風景という劇が上演されていた。5月の東京の公演を見たが、もうネタバレにならないと思うので掲載する。
劇の題材となったのは、大牟田の人なら誰でも知っている昭和38年の三川坑爆発と平成16年の北村家族による連続殺人事件。北村家の父親は三川坑爆発のときに坑内労働をしていた元炭鉱夫という設定で、家族の数奇な人生、何の考えもない連続殺人が描かれている。この奇妙な家族関係、殺伐とした事件を風し、「殺風景」という題になったのだろう。
大牟田の飲み屋の娘が「このまち、殺風景でしょ」と東京から来た刑事に話す。実際に「このまち」に住んで事件のことを知っている大牟田人にとって、今回の観劇は非常に重たい、複雑な心境であった。最後は、事件に関係ない飲み屋の男性客が結婚を申し込むシーンで終わる。これは殺風景のまちから未来を感じさせることを狙った演出だろうが、その程度では全く埋められないほど、べらぼうに重たい内容だった。
とは言うものの、出演者が話す大牟田弁は完璧だった。ご高齢の大牟田人の気合の入った大牟田弁では関東、関西では通じないが、ここまでなら何とか理解できるというマイルドな大牟田弁の台詞になっていた。大牟田出身の女優、林田麻里さんが方言指導にあたったそうだが、これには恐れ入った。素晴らしい指導に大きな拍手を送りたい。
《劇中に出てきた大牟田ワード》
船津のマルキョウ ミニストップ マックスバリューが安か 新栄町でボウリング 福龍軒 世界で25番目に美しい都市 荒尾の埋立地 大牟田川は虹の川 サウンドビルでカラオケ・・・
写真をクリックすると殺風景のチラシ類が見れます【140615】
大牟田と荒尾、それぞれの消防署が建て替えられた。
大牟田市消防署は浄真町の現地に建て替え、有明広域行政事務組合荒尾消防署は大島から宮内に移設、新築されている。
消防の建物は、1階が消防自動車、救急車の格納庫、いわゆる下駄履きの建物形式が多く、古い構造基準で建てられているものは耐震性に乏しい。大地震が発生していざ出動となったとき、消防自動車が建物とともに潰れている可能性もある。
阪神淡路、東北の大震災以後、地域防災の重要性が叫ばれていたが、何とかこれで面目が立った。
大牟田の消防署は母の実家のとなり、荒尾の消防署は父方の祖父の退職後の住まいの近くということで、消防署には子どもの頃からなじみが深かった。
サイレンの音や緊急自動車の出入りなどで、消防署のことを迷惑施設と思っている人がいるが、小生の一族は一度もそういうことを感じたことはない。むしろ、何かあったときに消防、救急が短時間で来てくれる一番安心して住めるところと思っていた。音などは慣れてしまえば子守唄に聞こえるし、その程度のことは安心の代償と考えれば安いものだ。(ただ、祖母は工場、消防署のサイレンで大牟田が空襲を受けたときのことを思い出すのが嫌だと言っていた。)
ともあれ、新しくなった両消防署が市民の生命と財産を守る拠点として、機能をより発揮することを期待している。
写真をクリックすると大牟田と荒尾の消防署が見れます【140510】
#098 国民被害対策相談センター
#035で『民事訴訟通達管理課』からの架空請求の葉書を紹介したが、今度は「国民被害対策相談センター」からの葉書が母親に届いた。ネットで検索すると、2、3年前からこの組織名での葉書が送られているらしい。
どこかで住所、氏名の個人情報を入手し、送りつけているのだろう。このての葉書は、知る限りは、高齢者に届いているので、年齢も知られていると思われる。
電子メールが通用しないアナログ世代向けの通信手段だろうから、送り主は応分のコストを負担している。若い人から見れば、よくこんなカネをかけるな・・・と思われるかもしれないが、それ以上の額を詐取しているのだろう。警察庁のHPによると、平成25年の認知されている特殊詐欺の被害額は約487億円、これからも葉書の送り主からすれば期待値は相当高いと思われる。
最近は私設私書箱や飛ばし携帯、電話の転送サービスなどを利用した詐欺が多いと聞く。一見、すぐバレそうに思えるが、なかなか犯人にはたどり着かないそうだ。インターネットを利用して海外から電話をかけてくるケースもあるそうだ。
息子の役、被害者の役、警官の役、弁護士の役、銀行員の役・・・などいろいろな登場人物、面白い芝居のようで一回聞いてみたいが、とにかく注意。
写真をクリックすると怪文書の全文が見れます【140304】
#097 第8回玉名ラーメンスタンプラリー
1月20日から、玉名の名物となったラーメンスタンプラリーが開催されている。
今年で8回目ということになるが、このスタンプラリーは第1回と昨年の第7回で完全制覇した。現在では加盟のラーメン店の全てを回って完全制覇、記念のドンブリ進呈となるが、始まった頃は、ラーメン店に加えて2〜3箇所の温泉を回って完全制覇だったと記憶している。また、昨年は熊本県産米粉を使った餃子のPRも行われていた。
完全制覇しなくても「抽選でプレゼント」には応募できるが、どうせやるなら「もれなくもらえる」完全制覇を狙うべきだろう。
とくに、昨年の小岱焼きのドンブリは欲しいと思わせるような質感の高い賞品だった。今年はくまモンドンブリということで、ゆるキャラ好きの人にはたまらない逸品だろう。
実は小生、玉名ラーメン某店の会員制私設応援団の会長をさせていただいている。玉名のラーメンは本当にレベルが高い。ラーメンを持ってきた後に、揚げにんにくを店の人が入れるという伝統を持つ店もある。今回は新しいラーメン店も参加している。
スタンプラリーは玉名のラーメンの今昔を知る絶好の機会でもある。3月23日まで。【140129】
新栄町は『おから研究室 File 012』で紹介したとおり、空きビル、空き地だらけとなっていた。
10月5日、延命公園にあった『青年の家』が廃止となり、パチンコ・レマン跡(その前は三西ストア、さらにその前は染料の売店だったところ)に代替施設として市民活動等多目的交流施設『えるる』がオープンした。
その筋向かいにあった『さんえい』は平成20年に解体され、22年3月に太陽光発電を備えたマンション『グランドニューガイア新栄町駅前』が完成していた。旭町側から来たときに新栄町通りの入り口になる部分であるが、この二つの建物の完成で、まちの雰囲気が変わった。かつては繁華街、平成19年頃からは使われていない建物がゴーストタウンの象徴のように並んでいた。昔の華やかさはなくても、それなりに人の姿が見られるようになった。アーケードも撤去され、建築用語で言うところの「壁面後退」が行われており、ずいぶん空間的な余裕ができている。新栄町にはまだまだ空きビル、空き地はあるが、これが次に続くことを祈っている。
また、東新町のアーケードも撤去された。トタン屋根の古いもので、この形のアーケードは、かつては築町、有明町、上官通りにあった。最近は老朽化が進み、かなり危険な状態になっていた。東新町の商店街では、空き家が増えており、中には家屋自体が倒壊が心配されるものもある。アーケード解体の次の取り組みも必要だろう。
とは言うものの、一歩進んだような気がする。これからのまちの変化に注目したい。
写真をクリックするとまちの様子が見れます【131014】
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