B 白バイを創る〜超本物はニセモノか〜

 

 

阿蘇、久住を流していると、米国の白バイを模倣した外国製鉄馬に出くわす。

青色の回転灯を装備し、中には発光させているものもいる。(違法行為なので真似しないように)運転者も米国の警官の衣装、人馬ともにアメリカンポリスになりきっている。

しかし、これには疑問を持つ。何故、外国の白バイの仕様だろう、日本の白バイ仕様に乗るのを恐れているのだろうか。この風潮は三億円事件の後遺症かもしれない。

 

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三億円事件 − 昭和431210日、東京都府中刑務所付近で発生した巨額強盗事件。白バイ警察官に扮した犯人は、車の下で発炎筒を焚き、「車に爆弾が仕掛けられています。早く逃げて下さい。」と現金輸送車の職員を遠ざけ、車もろとも現金を奪った。事件は昭和50年に公訴時効、63年に民事時効が成立。「強盗は出刃包丁で」という時代、犯人は乗り物と発炎筒を駆使し、現金の強奪に成功した。

(民明書房刊『望嶽庵ぺディア』より)

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これではいかん。世界に比類なき鉄馬生産国、我が日本の白バイを創ろうと決断し、秘密基地で極秘の計画が始まった。

白バイ1号機の創作は11年前。伝統的スタイルの鉄馬をベースに昭和30年代風の白バイを4ヶ月かかって自作。

高級感あふれるパールホワイト。子どもを白バイ隊員仕様にして乗せてみると、警察仕様の白バイを超える「超本物」。これなら警察の白バイ隊を堂々と先導できる。

どこで知ったのか、クレバ圏外のマニアの方から「是非譲って欲しい。」と頼まれた。一般の方に「超本物」を譲ることは抵抗があったので、装備を外し、単に白い鉄馬、簡単に取り付けられる回転灯・拡声器セットという形でお譲りした。

後日、この方がお住まいの方面で、ニセ白バイが捕まった。何を血迷ったか、犯人は白バイ隊を先導しようとしたらしい。ニセモノを作るなんて万死に値する大罪だ。どんな輩が作ったのか顔を見てみたいもんだ、と鏡の前で髭を剃りながら思った。

魂を込めて創った鉄馬がいなくなると寂しい。秘密基地で再び白バイの創作が始まった。

2号機は、昭和47年放映のテレビ版「ワイルド7」で八百が乗っていた鉄馬をイメージした。1号機以上の時間を要したが、純白のウレタン塗装が眩しい「超本物」が完成。これなら三億円も楽勝だ。

三億円事件の地、府中の景色を歌った荒井由実の名曲♪・中央フリーウエ〜イ・・・この道はまるで逃走路・・・♪

望嶽庵和尚は鼻歌を歌いながら、発炎筒を手に鉄馬に跨るのであった。

【有明地域生活情報誌 クレバ57号(2014.03.20発行)掲載】

 

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超本物白バイ壱号機

超本物白バイ弐号機

 


 

 

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